
先日、民間タクシーサービスのUber(ウーバー)が、ロンドンでの営業ライセンス延長を拒否された!との報道がありました。
ウーバーと言えば、一般の人でも登録さえすれば自分の車を運転してタクシー営業ができる。
そして使う側にとっては従来のタクシーより安い!と人気のサービスです。
それがロンドンで営業できなくなるらしい、とかなり大きなニュースになりました。
ロンドン市がライセンス更新を拒否して理由
ロンドンが拒否した原因は、ウーバーがタクシーサービスとしてその安全性に十分かなっていないことだ、と言っています。
BBCのニュースによれば、何かの原因で登録を取り消されたドライバーが別のアカウントを取得できてしまうのが大きな不備の1つだということです。
また、登録許可が下りないドライバーが他人のアカウントに自分の写真をアップロード出来てしまうというシステムの弱さがあったとか。
これらの不備は既に何回かロンドン当局から改善するよう警告されていたようですが、ウーバーの措置がそれに叶っていなかったとのことです。
ロンドン市長カーン氏も、
「ウーバーが無くなったら市民はさぞかしガッガリするだろうけど、市民の安全には代えられない」
と言っているとか。
再申請に向けて改善措置をアピールするウーバー
もちろんウーバーも黙ってはいません。
必ず急遽改善してアピールすると言っています。
(2017年にも認めない、と言われてアピール。結局ライセンスの契約更新に成功している)
どうなりますかね。
いつ迄の猶予があるのかははっきり分からないけれど。
ロンドンが占めるウーバーの利益率は全体の24%!
ロンドンは世界中でもウーバーの利用客が多いトップ5に入るとか。
(他の4都市はニューヨーク、ロサンジェルス、サンフランシスコ、ブラジルのサンパウロ)
その5都市でウーバー全体の24%もの利益を占めるのだとか。
そりゃあウーバーも必死でしょう!
ロンドン、本来ののキャブサービス
元来、ロンドンのタクシーサービスは大きく分けて2通りのものがある。
一つは有名なブラックキャブ。
4人の乗客が大きな荷物を持っても乗れるほどのキャパがあり、旅行客にもとても便利。
何よりブラックキャブのドライバーは、ナレッジというロンドン中の全てのの道路を把握する超難関能力テストにパスしなければならない。
携帯ナビを誰でも使える今となっても、地図以外のことでもロンドンの地理に関わる様々なことに精通しているというプライドが彼、彼女らにはあるのです。
でもこちらは高い!
ちょっと乗っただけでもかなり高いのは致し方ないとは思うのだけど、よっぽど必要がなければ使わない。
そして二つ目はミニキャブと呼ばれる、個人所有の車を持つ人が登録して営業するもの。
普通ドライバーはミニキャブの会社やグループに属しています。
こちらはブラックキャブのように流しの営業はできません。
直接オフィスを訪ねるか、電話をして家まで迎えに来てもらう。
予約する時に何処からどこまで、何人で行くのか、大きな荷物はあるかなどを明確にして料金を決めてもらいます。
こちらの要望によって普通車あり、大型車あり。
値段もブラックキャブ程は高くなく、これも便利でした。
そうは言ってもやっぱり高いのよね〜、ガソリン代も上がっているし。


アプリでアカウントを作り、自分のカードを登録しておけばOK。
何処にいても携帯のGPS機能で自分のいる所から一番近くにいる車を見つける事ができる。
自分の行きたい場所を携帯に入れ、
それぞれのドラーバーが提示する値段、
そしてドライバーの評価を星の数でチェックしてから選ぶ事ができる。
便利な上に、値段もミニキャブを注文するより安い。
こりゃあいい!
そう多くの人が利用を始めました。
お手軽でやすいけれどトラブルもある?
それでも最初のうちは、キャブドライバーが適切な人物か、現れた車が本物かどうかを確認するシステムが十分ではなかった。
ウーバーを装うドライバーの被害に若い女性が遭うなどの、嫌な事件を新聞記事で読むこともありました。
他にも態度が超悪いドライバーに対してクレームをつけても、ウーバーが全く対応してくれないとか。
「ケータイ一つで誰でも登録できちゃうの!?アブナイヤツかどうか誰がどう審査するの?」
私もかなり懐疑的だった。
ムスメにも、絶対使うなと戒めていました。
(今もだけど…ティーンエイジャーだしね)
以前よりシステムは改善されているというけれど
その後審査自体もだいぶ改善されて、今ではウーバードライバーに14000人も登録しているそうです。
ということは、ブラックキャブやミニキャブに14000台ものライバルがロンドン中に溢れている、ということ。
このライセンス更新をどうするかは、タクシー業界の存亡に関わることでもあるはず。
特にブラックキャブドライバーはウーバーキャブサービスを心の底から憎んでいる、といっても過言ではないと思う。
「ウーバーは僕たちにとってバッドニュース以外の何者でもないよ」
と彼らがコメントしているのをテレビで見たことがありますが、正直な感想でしょう。
他のヨーロッパの国では認められているのか?
実際デンマークなどではタクシー業界の猛反発でウーバーの許可はとうとう下りなかっとか。
ヨーロッパでは他にブルガリアやハンガリーなどでもライセンス許可が得られていません。
イギリスではロンドン以外にも他のメジャーな都市ではウーバーの営業が続いています。
今回の更新延長云々はロンドン市の決断ですが、それが他の都市にどう反映するかはまだ分からないけれど。
どうなることでしょうね〜。
追い記事もどうぞ!
その後ウーバー、ロンドン営業ライセンス更新はどうなったのか?