ハリウッドのセクハラスキャンダルがイギリスにも飛び火!
このイギリスにも大きな波紋を起こしています。
1ヵ月前ほど、ハリウッドの大物プロデューサー、ハービー ワインステイン氏が度重なるセクハラ行為を多くの女性たちに行ったと大きく報じられました。
ハラスメントにあった被害者の中にはアンジェリーナ ジョリーや、グイニス パルトローなどの有名女優の名も連なり、ハリウッド揺るがす大スキャンダルに発展したのです。
この事件、ワインステイン氏が恋に「落ちたシェイクスピア」や「キングス スピーチ」などイギリスが舞台でイギリス俳優も数多く出演している大ヒット映画のプロデューサーであったことで、メディアでも大きく報道されました。
すると過去にワインステイン氏のアシスタントを務めたイギリス人女性が、彼女自身もセクハラにあったと名乗り出たのです。
彼女はBBCニュースに出演しインタビューに応じました。
この内容がまたハリウッドのB級コメディー映画のワンシーンの様なエピソード、これでニュースは更に拡大。
当初はこのニュースが連日これでもかこれでもかと報道されるのを見て、イギリス人もハリウッドのスキャンダルが好きだよなあ、ぐらいに思っていたのです。
セクハラ行為は決して許される問題ではないけれど、伝え方がゴシップ性にばかりフォーカスされている様子。
朝のBBCニュースで連日何度も繰り返されるのにウンザリしてきました。
が、この事件がイギリス国内でも思わぬ大きさで飛び火をし始めたのです。
最初はBBCの職員女性によるセクハラ被害の社内告発でした。
これが新聞の一面記事となり、これを皮切りに「私も」「ワタシも!」と次々に名乗りをあげる人たちが違う分野でも現れ他のです。
そして遂に政界にまで達する事態に、この間実にあっという間でした。
国会議員に向けたセクハラ申し立ては過去10年以上のケースにも遡り、過去の健康相まで含む大問題に発展。
昨日の新聞には12人程が訴えを起こした女性たちの名前が顔写真と共に載せられていました。
その面々、現役国会議員、議事堂や政党の職員など様々。
つまりセクハラは社会のありとあらゆる所で行われている、ということです。
別にハリウッドや政界に限った話では無く。
ただ、メディアに乗りやすい有名人絡みの方がニュース性が高い。
そして腹が立つのは、ハリウッドでワインステイーン氏が長年にわたりセクハラ行為を繰り返している事は公認の黙秘事実だった。
そしてそれは多分氷山のホンの一角に過ぎない。
みんな知ってる筈なのに、それを多くが見て見ないふりをしている。
BBCが委託して市場調査を行った結果によれば、イギリス国内でも53%の女性が過去にセクハラ被害にあった経験があると言っており、その3分の2はそれを会社に報告していない。
それはそうでしょう!
セクハラ行為を受けた人が、「こんな被害を受けました!」と言った時、一番ダメージを受けるのは被害者自身だからです。
たとえそのクレームが認められたとしても、職場にトラブルを起こしたヤツとして、その後どんな処遇を受けるかも分からない。
ハリウッドだったら負のイメージがついて役が付きにくくなるかも知れないし、会社ならそれまでバリバリ営業で働いていた人が一番目立たない部署に閉じ込められてしまうかも知れない。
下請け業者だったら?
学校の先生だったら?
おまけに後々どんな中傷が付いて回るかも分からない。
訴える事のリスクが大きいんですね。
もちろん女性だけではない、男性だってセクハラ被害のケースはあります。
そして男性の方がより公にし難いそうです。
男性にだって深刻な問題なはずなのに、「男のくせにナサケナイ」なんて言われてしまいそうですからね。
それが翻って「仕事の出来ない奴」と評価されてしまうかも。
誰にどう切り出してよいのやら。
ところでこの事件、今回イギリスではこれだけの大きさに膨らみ、世界中で「ミー、トゥー運動」までに発展したのに、日本ではあまり取り沙汰されていない印象を受けました。
私はNHKのニュースやインターネット新聞でしか知らないけれど。
チラリと報道されただけで特に後の話題になった様子も見られません。
どの社会にだってあるはずの問題、勿論日本にだっていくらでもあるでしょう。
でも出来れば触れたくない種類のものだから、敢えて取り上げないのではないかしら。
特に日本はまだまだ男性社会。ここで変に首を突っ込み、自分達に類が及ぶのを恐れている?そんな感じも伺えます。
それにしてもなあ、「恋に落ちたシェイクスピア」「キングススピーチ」、どちらも大好きな映画です。
別にプロデューサーがどうだったからと言って映画そのものの価値が落ちるわけではないけれど...
セクハラは個人個人の問題だけではなく、それを許してきた社会の問題でもあります。
男であろうが女であろうが力のある立場の人がそれを使う。
パワハラの一つでもあるし、それがいつまでもまかり通る社会が私達みんなに住みやすいものとも思えない。
今回の一連の勢いで急に全ての被害者が告発しやすくなるという訳ではないだろうけど、ちょっとタブーが破られた感じもある。
被害にあった人が更なるダメージを受ける風潮から抜け出すには、もっと多くの人が声を上げる必要があるんじゃないでしょうか。
いずれにせよ、「これ位で目くじら立てるなんて大人じゃないなあ」なんて何か勘違いしてる人は、どんな返り討ちに合っても文句はない...はずですよねー。
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