「兼高かおる・世界の旅」地球を180週した行動力がスゴすぎる!

先日NHKの「あの人に会いたい」を見て、兼高かおるさんが亡くなったことを初めて知りました。
享年90歳。

兼高かおるさんと言えば旅番組の草分け「兼高かおる 世界の旅」のプレゼンターとして有名な方です。
この番組は私の子供時代、我が家では日曜朝必ず見る定番番組でした。

兼高さんはインド人の血を受け継ぐ美人で英語も流暢。
彼女がアメリカ、ヨーロッパを始め、アフリカやオーストラリア、ミクロネシアの方まで何処にでも行く。

番組が始まった1959年は一般の日本人がまだ外国旅行をするのもままならない時代。

それも企画から演出、旅の手配、現地での取材交渉に渡るまで一人でやられていたそうです。

わずかなスタフだけを連れて世界中を飛び回る。
この企画力と度胸、行動力、本当に素晴らしいのですが、何より彼女がどこに行っても凛としてエレガントなんですよ。

ケネディ大統領やチャールズ皇太子、アーティストのダリ、ヨーロッパの貴族に堂々と会う一方、アフリカやアマゾンの奥まで分入って現地の人と交流する。

どちらにおいても何の気負いや気遅れも感じられません。

「世界の旅」で訪れた国は約150国、旅した距離は地球180周にもなったそうです。
個人的には南極点や北極点にも到達しているパワフルさ、おそるべし。

「あの人に会いたい」では、後年のインタビューでも変わらぬ美しさとエレガントな物腰、頭の回転の速さを見せていてくれました。

「旅は見たことや聞いたことの知識だけでなく、色んな事を私たちに教えてくれる」

「もっともっと知りたい!という欲が体の中の細胞を活性化してくれる」

そう言って晩年まで元気に旅を続けられたそうです。

今にして思えば「兼高かおる 世界の旅」が子供時代の私にとって唯一の「まだ見ぬ遠い世界」の窓口だった。

まだインターネットどころか、テレビ番組だって「日本の外」を扱ったものは滅多にない時代。

アメリカは「経済大国」、
ヨーロッパは「中世の佇まいで日本人の憧れの地」、
アフリカやアマゾンは「秘境」、
と外国はステレオタイプイメージで一括りにされていた頃。

いつかそれを自分も見たい、実際に行ってみたいと思う気持ちを掻き立ててくれたのは、世界中どこでも訪れた先で活き活きと、誰とでも対等に立ち振る舞う兼高さんの姿だった。

彼女の存在が無かったら、今こうやって自分がイギリスで暮らすこともなかったかも知れないなあ。

そう思うと不思議です。
記憶の奥にあった点と、今の点がつながったような。

そしてかつて「まるで別世界」だと思っていた外国の国々も、実は海を隔てているだけで、実際は日本とも繋がっているとは分からなかった。

兼高かおるさん、ありがとう。

ご冥福を祈ります、ってまだどこかで旅を続けているんでしょうね〜。

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