ちょっとこれ、ヨーロッパの危機じゃない!?
イギリスでは5月23日に行われたヨーロッパ選挙の結果が、他のヨーロッパの国の結果と共に発表されました。
な、な、な、なんと、
イギリスで一位になったのは極右政治家ナイジェル・ファラージ率いる「ブレクジット党」だったんですよ!
おぞましい事にイギリス全体の3分の1近くの支持を受け、ヨーロッパ議会では29議席を獲得するという結果になりました。
これって凄くないですか?
そしてもっと恐ろしい事には、1党で29議席というのはヨーロッパ議会の中でも一番大きい割合の議席数になってしまったんですよ〜。
本当はイギリスにEU離脱をして欲しくないはずだったのが、とんだ鬼っ子をウチに抱える事になってしまったわけです。
今回のイギリス国内で2位になったのは党として「ブレクジット反対!」を強く唱えているリベラル・デモクラティック党(自由民主党)でした。
与党の保守党や最大野党の労働党を抑えての2位ですが、議席数は16とブレクジット党には遥か及びません。
ブレクジットそのものを牽引していた保守党は5位、でやっと4議席。前回に比べてマイナス15席と大敗退です。
出たいのか出たくないのか、何の確たるポリシーも打ち出せなかった労働党は110議席の4位、前回からマイナス10とお互い情けない結果に。
そして”何がポリシーなのかよく分からないけれど何となく害のなさそうなイメージ” のグリーンパーティー「緑の党」が3位。
はーっ。
これを見るとブレクジットを強く支持している人がなんと多いことか。
しかもブレクジット党はマニュフェストを持たない!
ただ完全離脱、ヨーロッパとの関わり一切なし、ただそれだけです。
なんの政治的公約もポリシーもない極右の政党が、こんなに大きな支持をイングランド&ウェールズで受けるなんて、全く思ってもみなかった結果です。
(スコットランドではNSP・スコットランド党が圧倒的でした)
どうすんだ、このまま「合意なき離脱」になっちゃったら!
結果の分布図を見るとロンドンは自由民主党と労働党が強く、ブレクジット党はそれほどではない。
でも地方では圧倒的にブレクジット党に傾いています。
3年前国民投票でブレクジットか否かを決めた時も結局はそういうことでした。
このままでは散々言われてきた、
「もう一度国民投票をやってもう一度国民に本当にブレクジットがしたいのか問うべきだ」
なんてことはもう起こらないんじゃないか。
そもそもこの選挙は比例代表制ではないのも問題です。
1票の重さが都市と地方ではとても違う。
でもこの風潮だと、国民投票をやってもまた同じように、都市では反対され地方ではブレクジットが圧倒的に支持される、という結果になっちゃうんじゃなかろうか。
フランスではマクロンが危うく極右のマリー・ラ・ペン率いるナショナルパーティーに、まさに紙一重の差で勝利を奪われそうになったと聞きました。
そしてイタリアでは極右政党がトップに。
スペインではつい先日極右の大統領が誕生したばかりですしね。
どうなちゃってるの、ヨーロッパ!?
ヨーロッパが全体にこんなに右に傾くのは先の大戦前以来じゃないか、とはよく引き合いに出されることです。
人がファシスティックになり、排他的になる。
そしてそれを堂々と表に出すことを憚らない。
何かなあ………本当にイヤ〜な雰囲気になってきました。
こうなると、選挙前の
「ブレクジット党リーダー・ファラージにミルクシェイク浴びせ事件」
https://koppalondon.com/euroelection-uk/
はブレクジット党のヤラセ、いわゆるメディアに向けたプロモーションだっのではないか?
つい勘ぐりたくもなります。
この混乱状態、いったい何を信じたら良いのやら。
トランプが日本の後にイギリスに来る予定ですけど、
「誰に何を話したら一番得になるのやら(メイ首相はもう何を話すメリットも無いしなあ〜)」
と、今ごろ考えを巡らせていることでしょうね〜。あーやだやだ。
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