ジョンソン首相、辞任を迫られる?嘘がバレて窮地に立たされる

ジョンソンが辞任を迫られる?

イギリスのジョンソン首相が窮地に立たされている。

政治家が窮地に立たされる理由はいつも同じ。
嘘をついたのがバレる時だ。

ジョンソン首相は何をしたの?

話の発端は2020年5月のガーデンパーティーにジョンソン首相が参加していた、という事実だ。

時はロックダウン中。

コロナ感染は最初のピークの頃で、国民は外出や人との集まりを制限されていた。

その最中に催されたダウニングストリート裏庭パーティー。

「飲み物持参で慰労パーティーやろうぜ、チーズもあるよ」のE招待状が100人ほどに届いたらしい。

そこにジョンソン首相が出席していたというのだ。

誰がチクったのかは知らないが、最近これが写真付きで明るみに出た。

その時のイギリスはどうだったの?

2020年3月末近く、コロナ感染者が急増したイギリスはロックダウンに入ることを余儀なくされた。

まだワクチンが開発されていないこの時期。
ロックダウンに関する規制はとても厳しいものだった。

生活必需品を変える以外の店は全て閉じられ、買い物に出るのも一人が基本。
外出も最低限、外での運動は一人または一緒に住むメンバーとのみOK。

公園のベンチに座って寛ぐのも禁止。
外で友達とコーヒー片手に散歩をして罰金を払わされた人もいる。

コロナで犠牲者も多く出たが、病院での面会は禁止されていたため家族の死に目にも会えない。
お葬式も一緒に住んでいた家族以外は集まれない。

もちろんパーティーなんてとんでもない!
こっそり結婚式パーティーをしたのがバレ、多額の罰金を支払った人もいる。

病院も歯医者も中々行けない。
一人暮らしの老いた親にもガラス越しにしか手を合わせられない。

それもこれも感染を防ぐためだと、政府に敷かれた厳しい規制を多くの人が受け入れ無きの涙を飲んだのだった。

そんな時に、人に厳しい規制を定めた政府の面々がワイン片手に首相官邸裏庭でガーデンパーティーをしていた。

これを聞いた人々の怒りやいかに。

何が一番問題なの?

ここでジョンソン首相が責められることは、
「そんな事実は無い!」
と最初に嘘をついていたことだろう。

それが証拠を突きつけられ、言葉を翻した。

「仕事の話で集まって話すことはあった」
(ワイングラス片手に)
に変わり、

「一生懸命働くスタッフを労うためにほんの少しだけ顔を出した」
となったのだ。
(実際には25分ぐらいいた、という話だが)

国民はどう思っているの?

国民に厳しいロックダウン規制を敷いた本人たちが、自らその規制を軽く破る。

過去にもこうした嘘がバレた政府の主要人物で2人いた。

宣伝アドバイザー・カニングズ、前健康相ハンコック。
2人ともその事実をスクープされ、職を解任されている。

いつも同じなのだが、最初は決まって、そんな事実はないと否定する。

そして一旦嘘が暴かれると、あれこれ細かい言い訳を始める。

そのどれもが「特別な事情」で、一般の国民がそれでも決して許されなかったものだ。

そこに人の怒りが募る。
何で高級官僚だけが「特別」なのかと。

ジョンソンはどう対応しているの?

国会答弁で、ジョンソン首相は労働党リーダー・スターマー氏に「責任をとって辞職すべき」と迫られていた。

これに対しジョンソン首相は、
「懸命に働くスタッフを労うために少しの間だけ顔を出したが、今は激しく後悔している。そこで皆を諌め帰るように諭すべきだった。」
と応答している。

「申し訳なく思っている」
と一応謝ってもいる。

とにかくこの嵐が速く頭上を過ぎていってくれないか、と言った感じだ。

ジョンソンは首相を辞めるの?

ジョンソン首相が率いる保守党の中でも「ジョンソン辞任」を唱える党員も増えてきている。

それでも本当に首相を辞任させるには、党内に相当の「反対勢力」が無いと行われない。
54人のバックベンチャー(実際に国会に参加するMP)が辞任要求をまとめて申請する必要があるという。

今の保守党にそんな結束力と団結力があるんだろうか?
想像できない。

ましてやジョンソンが自ら「責任とって辞任する」と言うとも思えない。

考えたく無いけど、結局このままうやむやになっていくんじゃなかろうか。

嘘はバレる、でも変わらない?

しかしナゼ政治家は皆んな、バレバレな嘘をつくのだろうか?
とりあえず「知らない」と嘘をつく。

後でもっと恥をかくと知りながら。
(本当に嘘を突き通せると思っているならその方が怖いけれど)

呆れるが、この一連の出来事で最も腹の立つことは、国会の時間とエネルギーが
「2年前にガーデンパーティーをやったのか、そこに首相が出席していたのか」
問題に注がれていることだ。

そこに「やっぱりジョンソンは嘘をついていた」が加わってさらに火がついた。

この全てが呆れた話ではあるけれど。
他にも話し合うべき緊急事態はたくさんあるんじゃないの?

2020年のコロナ禍で起きた問題を話しながら、現在のコロナ対策については後回し?

国会のエネルギーの多くをパワーゲームに吸い取られているのが輪をかけてイライラさせられるのだ。

こうやって話をダラダラ長引かせ、結局人がうんざりして飽きたところで決着がうやむやになる。
最初だけ舌鋒強かったメディアも何だか最後は尻つぼみになる。

このいつものパターン。
あーあ。