ほぼ日刊イトイ新聞で鴻上尚史へのインタビュー記事「世界を作ってくれたもの」を読んだ。
インタビューは2019年10月のもの。

鴻上氏はインタビューで、ご自分の演劇について話を始めとして、日本の学校体制というもの、そしてその背景にある日本の組織のあり方への疑問も投げかけている。
その内容があまりに「今、正にそうでしょう!」なので驚いた!
高校生の頃から「反体制」で超行動的だった鴻上氏。
「誰も責任を取りたがらない日本の組織というもの」に常に理不尽さと怒りを感じている。
零戦パイロットについて書かれた『不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか』の著者でもある氏は、第二次世界大戦にも触れています。
“戦時中に交戦員ひとりひとりの命を消費しながら戦いを引きのばした、日本型の組織の特徴と同じです。” と。
全く勝ち目がないと分かっていながら、犠牲ばかりを増やしつつダラダラと決断を引き延ばした日本の組織。
周りの空気ばかりを読もうとする、決断力のなさと不合理性を指摘している。
そう言えば「シンゴジラ」でもそうだったよねー。
コロナウィルスに対する日本政府の弱腰政策を毎日ニュースで見てはジリジリ苛々としている私。
「あーーー、遅い遅い!何でそう日和見主義で中途半端なんだ!?」
しかし人のことばかりは言ってられない。
そしてこのインタビュー記事、私個人にものすごく刺さった部分があったのですよ。
それは、
“自分は10年先から戻ってきたんだ、というふうに考えましょう。”
に始まるインタビュー最後の部分です。
氏によれば、
“10年後の自分に何かがあって、「10年前に戻してください!」と強く願った。
だから私は今ここに居る、と考えてみましょう”
と言うことなのです。
これには私、ちょっとガンッと頭を殴られたような気がしました。
未来の自分を想像して、10年後にどんな風になっていたいかを細かく思い描いて目標を立てましょう的なことだったら、自己啓発の話でよく聞くことです。
そうすれば欲しい未来が引き寄せられます、みたいな。
でも10年後の自分になって今の私を振り返ったことは一度もない。
10年後の私が、今の私にやって欲しいのは何なのか?
「せめて10年、過去10年を私にやり直させて下さい。そうすれば今と違った現実にして見せます」
未来の私がそう願ったのだろうか。
今の私に何をやれと託したのだろうか。
今から私は何を始めればいいのか。
鴻上氏は最後に、
“10年後の自分に、頼りにされる自分でいるためにね。”
と結んでいます。

責任重大じゃない?
(すでに私に向けて話していると勝手に考えている)
“おいしいものを食べてください。好きなことして、気持ちを強靱なほうへもっていく。
行動や発言するにも、きちんと準備する。”
うんうん、
最初に自分の気持ちを上げて、体力を付けて、強い気持ちを持つ。
それから自分のする事には必ず準備をして臨めっていうことですね。
(ちょっとだけ落ち着いた)

疑問いっぱいの子供時代、また最近の作品作りなどにも触れています。
正直、氏はNHKの「クールジャパン」の司会者で、面白演劇作家であるぐらいにしか思っていなかった。
(ロンドン公演も昔あったのを覚えています)
鴻上氏の本、何冊か読んでみたいと思いました。
何より自分の頭で考えるのが、一番大切だ。
ドラえもんに頼んでも、そう何回も10年前に返してはくれないよね〜。