シングル発売以来37年後にヒットチャートNo.1!
「ランニング・アップ・ザット・ヒル/ Running Up That Hill」
シンガー・ソングライター、ケイト・ブッシュが1985年に発表したこの曲。
なんと37年ぶりに当時を凌ぐ大ヒットとなりました。
イギリスの音楽シーン、今最大の話題です。
ケイトはイギリス80年代を代表する女性歌手の一人。
脳天から突き抜けるよう高い声を持つディーバでした。
「ランニング・アップ・ヒル/ Running Up That Hill」って?
曲名だけ聞いてもピンと来ない?
80年代の記憶がある人なら、歌を実際に聞けば「ああ、あの曲ね」とすぐわかる人が多いでしょう。
ちなみにミュージックビデオはこちら。
「ドンドコドコドコ、ドンドコドコドコ…」
ドラムのリズムが終始ベースになった、一度聞けば忘れ難いメロディ。
1985年のヒットソング、「ランニング・アップ・ザット・ヒル」は当時イギリスのチャートでは発表当時3位が最高だった。
37年ぶりの大ヒット?
それが今2022年になって再ヒット。
それも発売当時を大〜きく凌ぐほどの大ヒットとしてイギリスでも話題を集めている。
それもイギリス国内だけではない。
スウェーデン、ノルウェー、オーストリア、スイス、オランダ、オーストラリアでもヒットチャート1位を獲得しているのだ。
アメリカではトップ10入り、これはケイト・ブッシュにとって初めてのこと。
この勢いは一体どこから?
なぜ今になってNo.1になったの?
1985年の発売から37年経った今、なぜ突然の再ヒットとなったのか?
今受けていると言うことは、ケイト・ブッシュを知らない世代に支持されているはずだ。
「SNSでバズったんでしょう、何かがきっかけで?」
今時の人ならそう思うよねー。
はいその通り、
ネットフリックスで大人気のシリーズ「Stranger Things(ストレンジャー・シングズ)」でこの歌が使われたのだ。
「Stranger Things(ストレンジャー・シングズ)」って?
「Stranger Things(ストレンジャー・シングズ)」はイギリスのネフリでは3シリーズが終わり、今シリーズ4がスタートしたところ。
超自然現象とミステリーが絡まるストーリー仕立て、
SFホラー&15歳以上と言うカテゴリーに入っていている。
80代が舞台のティーンたちが主人公だ。
80年代といえば、そうネット以前。
まだスマホもなく、歩きながら音楽を聴くといえばウォークマンと言う世代ですよ。
今の子達には「想像もつかない世界!」に違いない。
音楽が重要なのはいつの時代も一緒?
しかしウォークマンの登場は画期的だった。
「どこでも音楽」が可能になったのだもの。
特に若い世代にとってはライフスタイルの大きな一部になっていった。
音楽は多くの若者にとって一番身近な理解者であり、アドバイスや元気をくれるものでもあり、逃げ場にもなっていたと思う。
「ストレンジャー・シングズ」に登場する歌の一つがこの「ランニング・アップ・ザット・ヒル/Running Up That Hill」。
それも、とても重要な意味とパワーを持つ特別な歌として。
(ネタバレになるのでこれ以上は言わないけれど…)
昔の曲にそんなにアピール力があったの?
ドラマでは「ランニング・アップ・ザット・ヒル」は何回もかかるので、シリーズを観ていた世代にすっかりハマった人が続出したらしい。
多分そのほとんどが、ケイト・ブッシュの名前も知らなかったと思う。
でも37年の時を経て、今こうして聴いてみるとすごい。
インパクトの強い歌だったなあ、とあらためて感じる。
特にあの終始鳴響き続けるドラムのベース音が心騒せる(私にはね!)。
実際あのドラムは「鳴り響く心臓の音」のをイメージしているらしいけれど、本当に効果的だ。
演奏に使われたドラムは北アイルランドで行進などに使われる、ランバーグ(lamberg)ドラムと呼ばれるもの。
体の前に縦に抱えるタイプの、とても大きな太鼓です。
わざわざケイト自身が北アイルランドの職人さんを訪ねて特注したものだそう。
やっぱり大事だったんだなあ。
ケイト・ブッシュの魅力って?
ケイト・ブッシュはよくエニグマティックだと形容されていた。
エニグマティックとは、妖しくてミステリアスな魅力がある、というような意味だ。
好き嫌いが分かれやすいタイプでもある。
それでも彼女はとても人気があった。
彼女がまだ20代半ばというころ、既に圧倒的に個性的だった。
独自の世界観を作り出してそれを体全体で表現していた。
80年代女性歌手の持つパワー
ケイト・ブッシュといい、アニー・レノックスやシンディ・ローパー、クリーシー・ハインド。
80年代のイギリス音楽はそれぞれに実力もあり、個性的な魅力を放つ女性歌手が目白押しだった。
ほんとパワフルな顔ぶれだったなあ。
そういえば80年代は、アメリカでもティナ・ターナーが大きくカムバックしたり、マドンナが登場した時代でもあった。
80年代という時代の持つエネルギーが後押ししたのかも知れない。
ファッションも押しが強かったものね、真っ赤な口紅や大きな肩パッドを始めとして。
次は何がカムバックするか⁉︎
それにしても発売から37年経ってこのヒット。
当人のケイト・ブッシュが一番驚いているだろうか。
それとも「また私の時代が巡ってきたわね」と思っているか。
(印税もかなり入ったらしい、下世話な話だけど…)
昨今80年代のものがまた流行っているからな。
時代は巡る。
次は何が流行るか分からないねえ〜。
歌と共に80年代の雰囲気を味わいたい人にはこちらのライブがおすすめ
ケイト・ブッシュといえばWuthering Heights?
ケイト・ブッシュといえば「Wuthering Heights(ウェザリング・ハイツ)」でしょう!
「ヒースクリフ、ヒースクリフ、私よ、キャシー。帰って来たわ!」
ブロンテの「嵐が丘」に沿った鬼気迫る歌詞もさながら、
「寒いわ、入れてちょうだい」
とエンドレスに歌いかけてくるケイトの目が怖い。
ほとんど狂気を感じるレベル、今見てもすごいパフォーマンスの力を楽しんで〜!