第一次世界大戦終了から100年!イギリスの戦没者追悼式に見るノスタルジーと現実のギャップがコワイ

11月11日、今年もイギリスでは戦争追悼式 (Remembrance Day / Armistice Day) が催されました。
昨日の午後から深夜を通して激しい雨が断続的に続いていたので、今朝になって晴れてきた時には皆がホッとしたはずです。

ウェストミンスターの近くを退役軍人や遺族を中心に多くの人が更新するのですが、何しろお年寄りが多いですからね。車椅子に乗っている人だっている。

11月の寒い季節ってだけでも大変なのに、雨が降ったらエライことです。
晴れたと同時に比較的温かい日となり、ほんと良い天気に恵まれました。

特にこの年、2018年は第一次世界大戦の終戦から丁度100年目。
そしてドイツのスタインマイアー首相も式が式に参列することとなり、更に意味深い年となりました。

最初は第一次世界大戦の戦没者を悼む式として始まったこの追悼式。

激しい戦いで何十万人もの死者を出したベルギーの戦場に、戦後赤いポピーが咲き乱れていたということから、今では「赤いポピー」が過去の痛い歴史の象徴とされています。

私が覚えている限り、20年ほど前までは、第一次世界大戦の空軍、陸軍、海軍からそれぞれ一人ずつ生き延びた退役軍人が車椅子で参列していました。

今はその方たちはもう亡くなっていますが、その分この式典が、というより第一次世界大戦の記憶そのものが少しノスタルジックなものになってきたような印象も受けます。

実際の戦争は、それはそれは凄惨を極めたものだったそうです。

兵士だけでも記録されている数で9百万人は無くなったとか。
行方不明者や市民犠牲者を含めたら実際の戦没者はその何倍にも登るはず。

その記憶が遠くなって下の世代に受け継がれていくほどに、それが哀しくも誠実に勇敢に時代を送った祖父、曽祖父世代への想いばかりに集約されていく。
何だかその当時の記憶と今実際に起こっていることに隔たりがあるような。

追悼式に重くを置く一方、ヨーロッパではイギリスのブレクジットを始めとするEU分裂が危ぶまれています。
景気が落ち込み、それぞれの国が自国だけを第一とする右翼に傾いたこのイヤ〜な雰囲気。

「これでは第一次世界大戦が勃発した前の様子と全く同じではないか!」
そう危ぶむ声も多く、いっそ追悼式をやめたらどうかという意見も出ているそうです。

止めるより、追悼式がなんのためにあるのか。
そもそも何が戦争へと国々を導いたのか、もう一度立ち止まって考えるべきでは?

いかに人間が愚かな間違いを繰り返しているか、今の世界を見れば一目瞭然です。
まだ私たちは歴史から何も学んでいない。

朝の式典を見ながら、我が家では娘を交えてそんな話で喧々轟々でした。
あ、もちろん11時の2分間黙祷では黙ってましたよ〜。

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