そもそもインディアンサマーって何?
2021年のイギリスの8月は平均気温20度ぐらいだったんじゃないか。
とにかく毎日薄ら寒く、曇り空続きの、夏とも呼びたくないようなパッとしない夏だった。
「今年は夏なかったね〜」
などとぼやいていたら、9月に入っていきなり30度近くもなる日が来たではないか!
空は青くスカーッと晴れて気持ち良い。
こんな時イギリス人がよく使う言葉が、
「インディアンサマーだ!」
季節をちょっと外れた、日持ち良く晴れた日がちょっと続く時。
イギリス人はそれをインディアンサマーと呼ぶ。

イギリス気象庁のホームページによれば、
「10月、11月と秋深くなってから穏やかな暖かい日が続く時、これををインディアンサマーと呼ぶ」
とある。
何でインディアンサマーって言うの?
なぜ秋の暖かい日がインディアンサマーと呼ばれるか、その語源は不確かである」
とサイトにはある。
アメリカでは1778年に最初にその記述があるそうだけど。
イギリスで使われ始めたのは19世紀の初めごろ。
その後広く広まったらしい。
それ以前のイギリスでは、11月11日のセント・マーチンズ・デー辺りに晴れた穏やかな日が続いた時「セントマーチンズ・サマー」と呼ぶこともあったそうだ。
いずれにしても今は「インディアン・サマー」と言う言い方が定着している。
昔から人は暖かな日を喜んできた
イギリスの夏は短い。
そしてイギリスの秋は本当に短い。
10月の終わりに夏時間から冬時間になった時などは、日の短さにいつも愕然とする。
「ああこれからあの長く寒く暗い冬がやってくるのだ」
と寂しくなる。
天気もますます悪くなる。
ジメジメと寒い季節がやってくる。
そんな時に、ふいに晴れて暖かい日がほんの数日続くことがある。
その時の嬉しさはひとしおで、ついこう言ってしまうのだ。
「インディアンサマーだ!」
しかしなんで「インディアンサマー」なんだ?
分からないのは何で「インディアンサマー」なのか、なんだけど。
諸説あるが、「何となくエキゾチックなので」辺りに落ち着いているらしい。
特に意味はないのだ。
ただ特別と感じる日に何か呼び名をつけたい。
その気持ちはよく分かる。
日本でだって小春日和とか、花冷えとか、中秋の名月だとか、色々と響きのいい名前をつけて季節の変化を楽しんでいる。
こんな時、四季がある国に育って本当に良かったなあと思う。
地球温暖化と切り離して考えられない?
もっとも最近は地球温暖化で、季節外れに妙に暑い日があるとかえって不安になってしまうけれど。
記録によれば2011年10月に南部のケントで29.9度、11月にウェールズ西部で22.4度を記録したのがこの季節の最高気温だという。

でもまあ考えてみればまだ9月。
遅れてきた夏日を楽しむに越しんだって、バチ当たらないハズだ。
後に寒い日が続くのがインディアンサマーの常?
だってインディアンサマーの別の記述には、
「暖かい日が続いた後は霜の降りる寒い日が後に続くのが常」ともある。
って本当じゃないか。
来週は最高気温18度まで落ち込むという天気予報が出ている。
いきなり10度以上も下がるのだ。(涙)
これをインディアンサマーと呼ばして、何という!
ますます今のうちに楽しまなくっちゃ〜。
(って明日はもう終わってるって!?)
本格的に秋に入ってから使う言葉だと思うよ