ダイアン・キートン、大人の女性の魅力満載
映画「ハムステッド」(邦題:ロンドン、人生はじめます
映画「ハムステッド」(邦題:ロンドン、人生はじめます)を見たことがありますか。
アメリカの名女優ダイアン・キートンの魅力満載ですよ!
ダイアン・キートンと言えば「アニー・ホール」を始めとする数々の作品の主演を務めた長いキャリアの持ち主。
昨年は、ロンドンを舞台にした「ハムステッド」(日本のタイトルは「ロンドン、人生始めます」)という映画の主役を務め、その現役ぶりを堂々見せつけてくれました。
60代男女のの現役ラブストーリー
この映画、ラブストーリーなんですよ。
ちょっと待って、ダイアン・キートンて幾つだっけ!?と、ポスターを見た時先ず思いました。
ググったら、1946年生まれとあります。
一昨年撮影としても70歳かあ……凄い。本当にすごい、と感心してしまいました。
「ハムステッド」では、マサカの相手に思いがけず恋に落ちてしまう女性をなんともチャーミングに演じています。
ストーリーあらすじ
映画の中のダイアンは、ロンドンに一人住む未亡人のアメリカ女性。
人が羨む高級住宅地ハムステッドのアパートに住んではいるものの、実情は夫の残した借金に汲々とし、その月の光熱費や管理費も満足に払えないでいる火の車状態。
近所のチャリティーショップで働くも、全く生活費にはなりません。
隣人の有閑マダムたちからはかなり上から目線の哀れみの目で見られていることをよく知っている。
離れて暮らす息子には「早くアパートを売り払って借金を清算しなよ、ここなら十分高く売れるんだからさ」とせっつかれています。
「そんなの分かっているわあ〜!」と言いたのは山々。
でも長年馴染んだ生活に別れを告げる決心がなかなかつかない、
一歩踏み出すその勇気がない。
明るく振舞ってはいるものの、現実に向き合うのを避けているんです。
不満と不安だらけの生活に飛び込んできたもの
そんな彼女の唯一の慰めは、屋根裏部屋に上って、双眼鏡で外を眺めること。
特にすぐ近くにあるハムステッドヒースの自然を眺めては心を鎮めています。
が!
ある日いつもの様に双眼鏡をのぞいていると、何とヒースの茂みの中に隠れるようにして建つ小さな小屋を発見。
え、え、え?
そこにはホームレス風の壮年男性が住んでいるではないですか……
以来イケナイイケナイと思いつつもその男性を覗き見せずにいられなくなった彼女。
沐浴のため彼が真っ裸になって池に入るのを「キャー!」なんて慌てながらもつい見ちゃったり。
それがある夕暮れ、彼の小屋に盗み目的の若い男が押し入ろうとし、住人の壮年男性ともみ合いになったのを目撃!
ダイアンは迷ったものの、彼の身を危うんで警察に通報してしまいます。
これが男性の存在を明るみにし、穏やかだった彼の生活が世間の注目を浴びてしまうのですが……
事実に基づく話を織り交ぜたフェアリーテール?
ネタばれになるのでこれ以上書きませんが。
これは大人のための心温まるフェアリーテールといったところでしょうか。
筋立て自体は、ホームレス男性の居住権を巡る実話に基づいた部分もあるという事です。
でも全体には非現実な部分のツッコミどころ満載。
何度でも再生できると信じる心を取り戻す
でもこの映画の本題はそこではなく、ダイアン・キートンの揺れ動くオンナ心。
そして恋をきっかけに「自分には何も残されていない」と思い込んでいた壮年の女性が、自らを再生していく話です。
好きな人のためにオシャレをしたいと思ったり、ドキドキしたりワクワクしたり、その人を助けるためにあらん限りの力を振り絞って大奮闘する。
そんなエネルギーが自分にはちゃんとまだあったんだ、
ただ忘れていただけなんだ。
本来の強さを取り戻していく女性をダイアンが全身で演じています。
脇役もイギリスの名優揃い!
60プラスのための映画といってもいいかも、けど若い人が見てもソンはないですよ。
それに脇役の役者陣もイギリスの名優ぞろい!
でも、「なんだ、ありえねー」って言わないでね。
そういう貴方もいつか歳を取るんですから。
ダイアン・キートンのスタイリッシュなこと!
私が好きなシーンを一つ。
恋の予感を抱いたダイアンが、欲しいなあ、でも高いしなあ、といつも店のウィンドウを眺めては通り過ぎていたベレー帽を買うんです。
鏡の前でそのベレー帽を被った時のダイアン・キートンといったら、正にニューヨーク・ガール!
あれこれ合わせて試行錯誤。最後にキュッとマニッシュに決める。
「おおおっ、カッコいい〜。」
ジャケットの上から太いベルトをして似合う人、そうそういません。
正しくはカッコカワイイかなあ。あんな風に歳をとれたら、素敵ですね〜。
映画ではハムステッドヒースの自然の美しさやロンドンの街並みもイイ感じに撮られていて目にも楽しいです。
プライベートではニューヨークの超高級アパートメントを売却
先日インターネット新聞でダイアン・キートンのアパートが売りに出されているという記事が出ていました。
その額19億円!
凄いですね〜。
ロンドンの不動産も常軌を逸した高値を見せていますが、ニューヨークも負けていませんね。
セントラルパーク脇に建つ彼女の3ベッドルームアパートメントは、どの部屋からもパークを眺められるそう。
その場所に価値があるんですね。
まあ3ベッドルームといってもバスルームも3つ、専用エレベーターもあるそうです。
庶民の3LDKとはちょっとレベルが違う。
映画「ハムステッド」の女性の立場とは随分違うじゃないの!?
でもそれはそれ。
どんな立場にあっても自分を貫くキャラをイヤミ無く演じられるところがダイアン・キートンの名女優たる理由なんですから。
映画の方も、是非見てみてね〜。