2021年東京パラリンピック・イギリスのメダル結果に驚く
2021年東京パラリンピックが幕を閉じた。
コロナ問題の中、競技に参加するまで漕ぎ着けたアスリートやスタッフの苦労は大変なものだったと思うが、とにかく無事に終了したのだ。
パラリンピックでメダル2位のイギリス!
驚いたのはイギリスのメダルの多さ。
オリンピックでは4位だったのが、中国に次ぐ堂々2位。
金41個、銀38個、銅45個と驚くべき数だった。
インタビューに答える選手の笑顔や涙をテレビで見ているだけで嬉しくなってしまう。
それはどの国の選手でも同じことではあるけれど。
オリンピックよりもパラリンピックで好成績を挙げたのは、むしろ誇るべき結果だし何よりカッコイイ。
それはつまり、健常な選手同様、障害があるアスリートも支援を受けているということなのだから。
(いきなり国の格が上がったようではないか!)
スポーツにお金がかかるのは当たり前!
当然ながらスポーツにはお金がかかる。
子供がスポーツを真剣に始めたりすると、その家庭は本当〜に大変だ。
オリンピックやパラリンピックに向かう選手レベルともなれば、練習に費やす時間、整った環境などが絶対不可欠なのだ。
これには周りのサポートなくては成り立たない。
イギリスもメダル下位が普通だった過去が
イギリスも今でこそメダルテーブルの上位にいるが、2012年ロンドンオリンピックの前までは、ほんとパッとしなかった。
夏も冬も、もちろんパラリンピックも。
乗馬やボート以外、わずかな例外を除いて特に何も期待されていなかった。
選手達は十分なサポートを受けていないからメダルも取れない。
よって人の関心も薄くスポンサーも付きにくい。
そんな悪循環が続いていたと思う。
資金援助で飛躍したイギリスのスポーツ界
それが「宝くじ(ナショナルロッテリー)」からの援助や、2000年辺りからのイギリスの好景気もあって、企業や国からの大きな資金援助を受けるようになった。
これがイギリスのスポーツ界を飛躍させた。
以来イギリスのオリンピック、パラリンピック事情は俄然変わった。
2012年ロンドン以来、イギリスはメダルレースのトップを常に競い合っている。
鈴木孝幸選手の金メダル獲得で喜ぶイギリス
パラリンピック水泳選手、鈴木孝幸選手が男子100メートル自由形で日本人としての今季初の金メ獲った時は、大会直後、早速イギリスのテレビ局チャンネル4(パラリンピックの中継局)がインタビューに駆け寄っていた。
「金メダルおめでとう、鈴木選手!
ノーサンブリアでも皆んな声援を送っていたと思いますよ!」
鈴木氏は現在イギリス北部にあるノーサンブリア大学に在籍し、イギリスのコーチによる水泳のトレーニングを受けている。
大学では、「私たちの一員が金メダルを取った!」と誇りに思っているのだ。
もっとパラスポーツへの関心が高まって欲しいと
インタビューで「この快挙で日本の人達に何を伝えたいですか?」との問いに鈴木選手は、
「自分が頑張ることによって、もっとパラスポーツに興味を持ってくれる人が増えてくれたらいいと思います。より多くの人が参加してくれるようになって欲しいです」
そして控えめに、
「日本ではパラスポーツへの関心がまだそう高くないので」
と付け加えていた。
本当はもっと言いたいこともあったと思う。
パラスポーツができる環境が足りないとか、
設備が整ったところにアクセスできる人が限られているとか、
日本のパラスポーツに対する理解や支援の少なさとか、
障害がある人に対する社会のシステム、または理解の欠如とか。
リオに比べては飛躍した日本ではあるが
全体のメダル表を見てもわかる。
今回の東京オリンピックでは、日本は実に2位の大快挙を見せた。
地の利があるとは言え、ありえない!というくらい凄い。
が、パラリンピックになるとそれも一転。
いきなり11位と下落している。
そうは言ってもリオでは日本は一つも金を取れなかった。
それから見れば今回、日本の金13、銀15、銅23個は素晴らしい飛躍と言える。
アスリートやチームの頑張りはもちろん、彼らに対する支援が以前よりも増えている結果だと思う。
もちろんメダルの数がオリンピックやパラリンピックの意義ではない。
でも日本パラの選手がもっともっとサポートを受けやすくなれば、この結果もまたどんどん更新されていくに違いない。
それが後から続く人たちへの励みともなるのだ。
次は3年後、パリで!
すぐ来ちゃうよ〜。