イングランドでは7月4日から大きくロックダウン規制を緩めることになっった!
既に一般店などに再開許可が出ているが、今回はそれをずっと進めた大幅緩和。
大きな節目なので、それについて記しておきたいと思う。
先ず、バーやレストラン、カフェが再開される。
向かい合う席を設けず、注文カウンターには客との間にプラスチック板を設置。
バーなどでは入店の際にコロナ追跡アプリをダウンロードするよう求められるらしい。
安遠距離に関しては、今まで2メートルだったのが「まあ1メートル以上は空けるように」が一応のガイドラインだ。
その他には、
ホテルやキャラバンパーク、
博物館やギャラリー、
図書館、コミュニティーセンターなどの公共施設、
映画館、
美容院(!)、
遊園地、
子供用遊戯施設のある公園、
スケートリンク、
教会などのミサの集まり、
招待客を含めて30人以下規模の結婚式、
などが挙げられている。
ちなみにこれらはイングランドのみ。
その他の地域:ウェールズ、スコットランド、北アイルランドはそれぞれの政府がコントロールしているのだが、程なくイングランドに続くようだ。
しかしイギリスはそんなにコロナ感染者が激減しているのか?
イギリス全体におけるコロナ死者は、はっきりそれが原因と分かっているだけで、4万3千人にも登る。(6月24日現在)
死因はコロナと関係あり、という数字では5万3千人にもなる、ヨーロッパで一番高いのだ。
テストを受けるチャンスも無いままに亡くなった人もおり、実際のコロナ関係死者は6万人越えとも言われている。
本当の数字は分からないのだ。(この辺は他のヨーロッパ国も同じかと思う)
イギリス国内では感染死者の90%がイングランド内。
ピーク時よりは大分減ってはいるが、激減したというほどではない。
現在ここの所その減り方が緩やかで、昨日の新たな感染者874人、死者の数175人と発表されている。
毎日出される統計にすっかり麻痺してしまったが、ロックダウンに入って丸3ヶ月経った今この数字。
よく考えたら凄い。
まだまだ、ひとけたには程遠いのだ。
それでもイギリスは規制を段階的に緩めている。


ロックダウンに入る際に政府は3ヶ月の収入補償案を出したが、例えば雇用者には3年以上の税金申告記録が要る。
全ての人がその対象になるわけではないのだ。
職についたばかりの人だっているし、カツカツの日銭を稼いでいる人も多い。
自分の小さなビジネスを運営している人も、
「補償金だけでは破産に追い込まれてしまう、銀行も助けてくれないし!」
というケースも多い。
こうなると「コロナで死ぬか、罹らずにいて全てを失うか」の選択を迫られてくる。
ロックダウンも最初の3ヶ月に近づいた頃は、解除のメドどころか延長になりそうだという雰囲気。
政府は仕方なく、「補償スキームを10月一杯まで延長する、だが条件として雇用側が何らかのリモートでできる仕事を与えて給料の20%は負担して欲しい」と言い出した。
そしてその頃から、
「ウチはもうやっていけないので、従業員をまとめて解雇します」
という会社がどんどん出て来たのだ。それも千人単位で。
大きいところではブリティッシュ航空など。その他大小いくつもある。
そうしている間に他のヨーロッパの国がどんどんロックダウン解除を始めた。
殆どの国で感染はかなり抑えられ、テストも受けられやすくなったという。
これを見たイギリス国民は、業を煮やしていた。
てか、かなり焦っていた。
「一体いつになったら前の生活に戻れるのか!?」
とその怒りが政府に向けられていた。
「最初にロックダウンに入るタイミングが遅すぎた!」
「いつになってもテストも満足に受けられなかった!」
「国民に課したルールを自らは守ってない奴が政府内にいるではないか!」
「こうなることは分かっていたのに何でも対応が後手後手だ!」
今回の緩和措置は、それに対する政府が出した見切り発車的答えだと思う。
今まさに夏。そしてイギリスの夏は短い。
これから7、8月とホリデイシーズンが来る。
その間だけ忙しいビジネス、特に海岸界隈の施設やホテルなどは
「今を逃したら、来年まで生き残れない!」
というところが大半だ。
それにしてもなあ、
再開と決まった多くは7月に、の話なんだけど。
2週間も待ってられないよ、とばかりに既に各ビーチは芋洗い状態。
OKを待たずして人は安全距離も何もなく溢れかえっている。
「あれはただの悪いユメだったのかも知れない」
なんて本当に思っている人が多いんじゃないか。
人は結局、自分が見たい現実を現実と思い込むのだろう、にしても。
そのほうが不安だよー。