ああ、椰子の木になった気分になってみるのも素敵だなあ。
昨夜村上春樹さんのエッセイ集「サラダ好きのライオン」の一つを読んでそう思いました。
この話は村上春樹さんが
「なんで椰子の木はあんなに高くならなくてはいけなかったんだろう」
と思うことから始まっています。
そうして最後にそれを氏自身が椰子の木になって理由を想像してみることで答えを引き出している。
この想像から導き出された理由がとてもいいのですが、それについては本を読んでみてくださいね。
青空に高く伸びた椰子の木の気持ちになってみる。
カラリとした温かい風にユラユラ揺れる椰子の木の気分を味わって見る。
寝しなに自分の思いを飛ばすのにもとてもとても気持ちがいいものでした。
椰子の木の気持ちになろうと思ってみること、普通ないもんね。
最近このエッセイ集「サラダ好きのライオン」を寝る前のほんの5分、10分にエッセイを1つ2つ読むのを楽しみにしています。
これは雑誌アンアンに「村上ラヂオ」のタイトルで連載されたのをまとめたもの。
3巻にまとめられているようで、これはその1つ。
軽いテーマのものが多いので1日の終わりに気分を変えるのにぴったり。
各エッセイに大橋歩さんのシンプルかつオシャレな銅版画が添えられていて、それを合わせ見るのもイイんですよ。
書かれたものからダイレクトに感じるものと、大橋歩さんの世界を通して見える世界と、一つ読んで両方味わうことができる。
それらが合わさるとエッセイの世界がグンと膨らむような気がします。
この本、順番に読んでもいいけど、挿絵を見ながらパラパラとめくって気に止まったところを読むのも好き。
読み始めてしばらくしてから「あれ?これもう読んだよなあ」と思うこともあるけど、それはそれ。
それにしても記憶力悪いなワタシ、と我ながら呆れることも多いけれど。まあ寝る前だしね。
このエッセイ集の中で特に好きな話がいくつかあります。
「椰子の木問題」もその一つですが、夫や娘に話してみんなで笑いあったエピソードもあります。
タイトルは「スーパーサラダが食べたい」
村上氏が過去に観た映画の中のシーンとそのセリフにまつわるものなんですが、これが笑える!
アッハッハー、分かる分かるこの感じ、って。
スーパーサラダって何なのか?!
スーパーサラダの何がそんなに可笑しいの!?
それもまた、本を読んで村上氏の語り口を楽しんでください。
そしてそれをまた、誰かに話してみてくださいね〜。
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