2021年子供の名前ランキングをどう読む?日本とイギリスの違いは?

子供の名前、どう選ぶ?

子供の名前をつけるとき、まず何から考えるだろう?

「誰とも被らないようなユニークな名前にするか」
「多分他にも多いだろうけど、自分も好きな人気の名前をつけるか」

最初に大体この2つを考えるんじゃ無いかと思う。

その後に、

男とも女とも取れる名前にするか、
苗字とのバランス、
画数云々…がくるんじゃないか。

まあ悩みます。
考え出したらキリがないくらい。

日本・2021年名前ランキング

2021年、日本で赤ちゃんに名付けられた名前ランキングは、

1位_男:蓮(れん)、女:紬(つむぎ)、
2位_男:陽翔(はると)、女:陽葵(ひまり)、
3位_男:蒼(あおい)、女:凛(りん)

日本はひと頃キラキラネームとか、国籍不明なユニークな名前が増えたことがあったと思う。
今はまた、ちょっとレトロ感があるというか、「和モダン」ぽい。

ユニセックスな名前が増えている?

3位の男の子の名前が「蒼」。

男の子とも女の子の名前ともどちらとも取れるような名前。
でも女の子で人気の「葵」とは漢字を違えてある。

ユニセックスな名前がまた増えてきたのも、この辺時代だなあ、と思う。

子供に従来の「男らしさ」「女らしさ」を押し付けたくない、もっと自由でいて欲しいと願う親の思い。

単に、その方が今どきでカッコいいから、もあるかも知れないが。

イギリス・2021年名前ランキング

ちなみにイギリスでは(2020年統計)、

1位は男:Oliver(オリバー)、女:Olivia(オリビア)、
2位_男:George(ジョージ)、女:Amelia(アミリア)、
3位_男:Arthur(アーサー)、女:Isla(アイラ)、
4位_男:Noah(ノア)、女:Ava(エイヴァ)、
5位_男:Muhammad(モハマッド)、女:Mia(マイア)、
6位_男:Leo(リオ)、女:Ivy(アイヴィー)、
7位_男:Oscar (オスカー)、女:Lily(リリー)、
8位_男:Harry (ハリー)、女:Isabella(イザベラ)、
9位_男:Archie (アーチー)、女:Rosie(ローズィー)、
10位_男:Jack (ジャック)、女:Sophia(ソフィア)、

1位は男女の名前がオリバー、オリビアとよく似ているのが面白い。

変わらない?イギリスの名前

それにしてもこうやって改めて見てみると、我が娘の名前を考えた20年前からほとんど変わっていない

アーチーが入っているあたり、ハリー王子のご子息の影響もあるだろうか。
でもそれを含めても1位から10位までの名前が、近年だけでなく、昔から人気のあるものばかりだ。

女の子の名前リストを娘に見せたら、
「あー、全員いたいた、学校に」(女子校だったのだ)

イギリス王室などは、代々同じ名前を先祖の誰かから受け継いでいる。
(アーチーは珍しい。)

ウィリアム、ヘンリー(ハリー)、リチャード、アーサー、ジョージ、エリザベス、ヴィクトリア、メアリーなど、すぐに思いつく名前ばかりだ。

「そのどれかから選ぶ」のが普通だし、ショミンの間でも普通に使われている。

イギリスは変わった名前をつけないの?

イギリスにも勿論ユニークな名前の人はいる。
ロビンとか、ユニセックスな名前もある。

でも殆どが、上のリストにもあるようにごく普通の名前が多い
時代によって流行りはあるけれど、「初めて聞いた」名前はそれほどない。

70年代のヒッピー時代には、かなりユニークな名前をつける流行もあったらしいが、今はまた落ち着いている。

英語では新しい名前を創作しにくいと言うのもあるかな。
あんまり奇をてらうと名前に聞こえなくなっちゃうかも。

その点日本語は応用が効きやすい。
「そう言うのもあり」の幅が広いというか、創造の域が名前にもあると思う。

唯一無二の名前と思ってつけたら真似された?

以前新聞の投稿欄に、
「自分の娘のために唯一無二と考え抜いた末につけた名前が知り合いに真似された!」
と憤慨しているお母さんの投書が載っていた。

確かにちょっとショックかも知れない。

でも今流行っている名前のいくつかも、数年前には「オリジナル!」と思って誰かがつけた名前だと思う。

かつてのレアな名前も数年後には普通に広まっている、という場合もある。

よほどキテレツな名前でなければ、「絶対に被らない」ということは無い。

フツーの名前がレアネームになる?

私の名前は昭和を象徴する「子」で終わるものだ。
その世代の女の名前では最も多い名前のトップ5に入る。

学校の女友達も押し並べて同じようなものでだった。
変わった漢字を使っていても、呼び名としては似たり寄ったり。

大体3文字で、「子」で終わるパターンだ。

これが妹世代になると、今度は「子で終わらない名前」が流行り出す。

それでもまだ昭和世代。
妹の友達の名前を思い浮かべても、大きな飛躍はまだなかったと思う。

イギリスの英語学校で最も多い生徒の名前?

イギリスで最初に英語学校に入った時には、同じ名前の日本人が私を含めて5人はいた。

女子校時代にもこれほど被ったことはなかった。
それがまあ、イギリスに来てまで…と驚いたものだ。

漢字が違っても呼び名に変わりはない。
アルファベット表記にすれば「同じ名前」なのだ。

「**子 イチ!」と先生にからかわれて呼ばれたっけなあ。

フツーの名前がレアネームになる?

それが後に、状況は一変、
イギリスで職を得て、働くことになったのだ。

他に日本人は一人もいない職場だった。
そこで私の名前は突然レアネームになったのだ。

フツーの名前がレアネームになる?

1990年当時、日本人女性の名前で唯一よく知られていたのは「ヨーコ」。

オノ・ヨーコさんにあやかったわけではないが、

「へえ、君の名前もコで終わるんだ。日本の名前って面白いね。」
などと言って、職場でもすぐに覚えてもらえた。

「コ」で終わるのは「O」で終わるのを意味する。

特にラテン系は「O」で終わるのは普通、男の名前だ。

女性名がヴァレンティナなら、男はヴァレンティノ、
女性名がマリアなら、男はマリオという風に。

所変われば品変わる。
もっとも普通の名前が、もっともレアな名前になったのだ。

環境が変わっただけで。

ユニークで、
3文字で、
呼びやすく、
覚えやすい。

この時初めて私の名前を選んでくれた親に感謝したのだった。

自分の名前を変えようと長年悩んだ父

私に「ごく普通の名前」をつけた父は、昭和ヒトケタ世代にしたは珍しい名前の持ち主だった。

彼の名前だけ見ると100%女性と間違われる、そんな名前だった。

父にとっても自分の名前は長い間コンプレックスだったらしい。
(それで娘には普通の名前を選んだのかも知れない)

「そのうち改名するつもりだ」と真剣に言っていた。

しかし度々そうは言いながら、

「全く変えてしまわないで、一文字だけ変えようかな」とか、

「家庭裁判所に正当な理由を提出しなければいけないらしい」とか、

「親が存命中は名前を変えるのはちょっと憚られるかな」とか、

色々言って先延ばしにしていた。

その内変える、その内、と。

自分の本名を変えるには勇気がいる?

しかし後年、父の親も亡くなり、数年が過ぎてもとうとう名前を変えることはなかった。

この年になって今更、とか、

法的な手続きもめんどくさいなあ、というのもあっただろう。

名前を変えたら自分の人生も変わってしまうかも、と不安もあったのかも知れない。

そうしてとうとう最後まで自分の名前と共に生きた。

時代が変われば名前の印象も変わる

本当に変えたかったら自分で選ぶこともできた。
でも変えずにいるのもまた、父の選んだことだった。

やはり自分の名前には愛着があったのではないかな、と思う。
彼にとっての唯一無二のものだったのだ。

今だったら、
「へえ、かっこいい」で済んだのにね。

本当、時代変われば価値観も考え方も変わるものだと思う。
時代の先を行ってるんだよ、と生前言ってやるのだった。

それでも名前を変えたかったら?

私も自分のムスメには呼びやすい名前をつけた。

「夫の両親が呼んでも、日本の両親が呼んでも同じに聞こえる名前」が最優先で。

考えに考え抜いて子供につけた名前。
それでも将来、娘が違う名前にしたいと言ったら?

それは「好きにしなさい」。

親からもらった名前でも、絶対変えていけないことはない。

芸能人やアーティストは活動する名前を持っている人も多い。
そちらの方が「本名より自然で自分らしい」と思っている人もいるだろう。

イギリスの大学に通っている女性から、
「夏休みが明けたら、大学講師のジェームスがジェーンになっていた」
という話も聞いたことがある。

人それぞれ、人生の選択があって、決断がある。

そこで名前を変えたい、変えねば、と思う瞬間もあるかも知れない。

その時親が意見を挟める余地はあるだろうか。

ないだろうなあ。
その頃には「かつての子供」もいい大人だよ。

しかし、名前って大きいよね。

本当の名前を知られたら森の妖精がその魔力を失う、ってお話もあったっけな。