500億円の絵画!?
新たに発掘されたダヴィンチの作品とは
この作品「水晶を持つキリスト」が話題を集めたのはニューヨーク。
クリスティーズのオークションで3億4200万ポンド(約500億円)で落札されたと大きくニュースで報じられました。
500億円の絵画ってどんな!?
この作品は推定で1500年前後、モナリザが描かれた頃のものだそうです。
左手に水晶の玉を持ち、右手で上を指すキリストの肖像。
両作品の製作時期、麗人の肖像画であるのが被ってるう、ということで「男性版モナリザ」とも呼ばれているとか。

本当にダヴィンチの作品なの?
この絵画、以前はロンドンのリッチモンドにある貴族の館ドーティーハウスに所蔵されていたそうです。
それもルーベンスやレンブラントの作品と共に。
尤もその当時、この絵はダヴィンチの作品とは認識されていなかった。
ダヴィンチ派の一人ベルナルド ルイーニによるものだと思われていたとか。
後にドーティーハウスは大掛かりな修復工事される事になり、コレクションの数々は売りに出されました。
1958年のことです。
この絵が一番最初に売りに出された値段は?
そしてこの作品がロンドンのオークションハウス、サザビーズ に売りだされた値段は聞いて驚き!
なんと、45ポンドですよ〜。
45ポンドって7千円足らず……それもほんの60年前の話です。
それが流れて2005年に画商が100万円程で購入。
後の鑑定で、これはレオナルド ダヴィンチによるものだと信じられる事となったのだとか。
これをロシアの資産家が2013年に150億円程で購入。
それが今回クリスティーズのオークションに出品され、匿名の誰かにより500億円で落札されたのでした。
絵の価値はお金の高さだけで判断される?
と、まあ〜、ここまで書いてもメディアが報じるのはお金の話ばかり。
ロンドンのここ20年の不動産情報みたい。
えげつないだけでちっとも面白くないですね。
大体そんな途方も無い額、私達一般ショミンには全く関係ないものですから。
バブル期にとある日本の企業がゴッホのひまわりを50億円だかで落札しちょっとしたスキャンダル扱いされていました。
「これは金のチカラに物を言わせて絵画を芸術的価値そのものよりも、ただの投機の対象とするケシカラン行為だ!」的な批判を浴びていたのを覚えています。
それが今じゃ当たり前。
アートワークはお金儲けの道具として扱われ、芸術って何だろう〜、って考えさせられます。
鑑定をどこまで信じるのか?
ただこのダヴィンチ騒ぎで興味を惹かれた点は2つ。
一つはこの絵が本当にダヴィンチのものなのか?という信憑性についてです。
ダヴィンチは言うまでもない天才画家ですが、仕事を終わらせられないのでも有名な人でした。
素晴らしいスケッチは沢山残されていますが、実際に完成された絵画で現存するものは20作にも満たないとか。
このキリスト肖像は画商が買い求めた後に修復作業が加えられ、随分とキレイになっています。
長年の議論の末に本物と決まり?
鑑定には時間がかかり、長年の論議の末にダヴィンチの作であると認められたそうです。
では一体誰が、どの段階で「じゃ、そういう事で決まり!」と言ったのでしょうねー。
芸術歴史上の大事件ではないですか。
ニュースというのはゴシップ性ばかりが取り沙汰されて、聞きたいところを中々報じてくれません。
いずれにせよこの絵が500年の間に辿った道が、作品の希少性に輪をかけて大きな価値を生み出したには違いなく、この度の途方も無い金額を生み出した訳です。
作品にまつわるストーリー性と名前が物言うブランド価値。
マーケティングの見本みたいなこの一連の騒ぎでした。
肖像はダヴィンチ本人にも似ている?
あ、そうそう。
興味を惹かれた2つ目の理由。
初めてこの作品がBBCのニュース番組でアップで映された時、

孤独感漂う晩年のダヴィンチのスケッチを真っ先に思い出しました。
表情も年頃も違うけれど、何だかとても似ている。
まあ同じ画家に寄るものだ、と言われてしまえばそれまでなんですが。
デモニテイル…
『モナリザはダヴィンチの自画像」説
そう言えばモナリザもダヴィンチの自画像スケッチと重ね合わせるとその骨格もピッタリで、実は自画像だったのではないかという説もあります。
ダヴィンチは若い頃は大変な美男子で、絵の親方のモデルにもなったとか。
自分の顔を参考にに作品を描いてもおかしくない。
いずれにせよ500年もの時を経てまだ大きな話題を提供してくれるダヴィンチ。
今彼がこの狂騒を見たら、一体 なんて思うんでしょうね。。
「なんとまあアホくさい」と(イタリア語で) 言ったりして〜。