いや〜、びっくりしましたね。
何がって2019年ウィンブルドンの男子決勝戦です。
対する2人はトップレギュラーのフェデラーとジャコヴィッチ。
長年に渡りテニス界のトップを凌駕する2人、因縁の対決といってもいい。
ゲームはジャコヴィッチ、フェデラー、ジャコヴィッチ、フェデラーと各々が2セットずつを得て5セット目へとなだれ込みました。
ここからが凄かった。
お互いにゲームを取り、取られつでもつれあい、6ー6から6ー7、7ー7、7ー8、8ー8……といったいどこまで行くのやらという死闘となりました。
とは言っても近年新しいルールが導入され、両者が12ゲームが取った場合はタイブレークとなります。
先に7ポイントを2ポイント差で取った方が勝者となる。
昔はボルグとコナーの対戦がこんなだった。
5時間にも及ぶ熱戦、テニスって走りっぱなしですからね。それにダッシュの連続。
人間てどこまで強くなれるのかと感嘆することしきり。
体力だけでなく、あれだけの長い時間を戦い続けてあの集中力と判断力をキープできるところが尋常じゃない。
尋常じゃないからトップ選手として君臨し続けられるのでしょうけど。
会場の雰囲気としては圧倒的にフェデラーが人気がある。
一打一打の結果に対する観客の反応がフェデラーびいきです。
ジャコヴィッチは過去に判定に対して、また自分の調子の悪さに露わにカンシャクを起こすという癖があり、そこがあまり好かれていない。
対するフェデラーはいつもクール。
どんな局面でも自分を失わず、どんなにこれが大変か!なんて見せないところが人気がある。
何となくガツガツしたイメージののジャコヴィッチより、スマートな雰囲気のフェデラーの方が一般の受けがいいという印象です。
テニスという力強さの中にも礼節が求められるスポーツだし、何しろここはウィンブルドン。
それでも今日のジャコヴィッチはクールを保つのにベストを尽くしていたと思う。
試合は互角のままとうとう両者は12ゲームをそれぞれ獲得し、タイブレークへと入りました。
ここからは、見ているのがちょっと辛いようでもあった。
結果はご存知の通り、ジャコヴィッチの勝利。
終わりに近づいた頃にはフェデラーがミスショットをしたり、ジャコヴィッチがイキナリ転んで倒れたり、互いに疲れを見せていたけれど。
とにかく2人とも賞賛に値する試合ぶりでした。
何度か「ここでフェデラーが勝つのではないか!」という局面もあったけれど、全ては結果。
フェデラーが勝つとしても、ウィンブルドンでの優勝は年齢から言って今回が最後になるのではないか、と盛んに言われたていました。
それを思うとちょっと寂しい、個人的なファンとしても。
それでもフェデラーは授賞式のインタビューで、
「結果としては負けたけれど、自分のパフォーマンスには満足してるし、よくやったと思う。」
「自分のキャリアの中でもトップ2、3の中に入る内容だった。」
「37歳になってもまだプレーヤーとして十分やれるんだって人に信じて欲しいからね、まだこうやって立ってる訳だし」
等など明るく語っていました。
ジャコビッチと共に互いのパフォーマンスを称え合い、ウィンブルドン史上でも長く記憶に残る戦いになったのは間違いない。
ほんっとーにスゴイ。
フェデラー37歳、ジャコヴィッチ32歳。
来年はどうなるんでしょうね。
まだまだ2人には頑張って続けて欲しいけれど。
そろそろあっと言わせる新人が、どこからか現れないかな〜。