ロックダウン10週目を迎えるイギリス、政府の信頼を揺るがす新たなトラブルの行方は?




東京もついに緊急事態宣言解除?

多くの他県に続いて大阪、京都、兵庫県、そして遂に東京も5月末を待たずとして緊急事態が解除されると聞いて驚いた!

Koppa
え、もう?ずいぶん早いよね!
そうも思ったけれど、今のところ感染リスクレベルは0.5以下に抑えられているとか。

確かに死者の数もヨーロッパやアメリカに比べればグンと低い。
リスクレベル0.7 〜1.0をうろうろしているイギリスとは大分様子も違うだろう。
(そう発表されているからには、多分1.0に近いのだと思う)

イギリスもロックダウンに入って10週間。
かなり煮詰まっている。

今イギリスでは、コロナ感染コントロールを政府にアドバイスする立場にある人が、
「人々に呼びかけている事とは自ら逆のことをしていた!」
と激しい批判を浴びている。
BBC:辞任を迫られる政治アドバイザーカミングズ氏

メディアと国民の避難を一斉に浴びているのはドミニク;カミングズ氏。

イギリスEU離脱キャンペーンでは離脱派を牽引して成功に導いた男として、ジョンソン首相に最も近いと言われる政治アドバイザーだ。

今回のコロナ感染予防キャンペーンでは、「ステイホーム」や「ステイアラート」を訴え、最後にイギリス医療機関を救え!(Save NHS)と強調していた。

「皆それぞれ難しい状況にいるのは分かるが、どんなに心配でも自分の親にも会いに行かないように。感染リスクを広げない事こそが一番大事であり、ひいてはあなたの大事な人を守ることになるのだ。」

そう言われて、確かにそこまでする意味があるのだ、と多くの国民が従ってきた。
「親の臨終にも会いに行くことは許されなかった」と涙ながらに訴える人が多勢いた。

そんなキャンペーンを放ってきたカミングズ氏が、自らの「とても大事で適切な」都合で、アッサリとそれを破ってしまう。

どんな経緯でだか知らないが、新聞社2紙に「2回も**を訪ねていた」とキャッチされ、あっという間に世間の知ることとなった。

以来メディアと世間からは非難轟々。

だがカミングズ氏は「辞任の意向は全くない」ときっぱり言い切っている。

野党は勿論、政府与党の保守党の中でも辞任させるべきという声が高まっているにも関わらず。
(前者は彼のあるべき立場への批判、後者は党のイメージダウンを恐れて、だけど)

ジョンソン首相は今のところ彼を保護しているそうだ。
カミングズをかばう訳は分からないけれど。彼なりの理由があるのだろう。

先月もこれと良く似たことがスコットランドで起きている。

国民に「ステイホーム、NHSを救え!」とテレビで訴えかけていた医療アドバイザー長が、2度、遠く離れた田舎の別荘に家族と訪ねていたのをスクープされたのだ。

この時はロックダウンに入って1ヶ月ぐらいだったろうか。
イギリスでは連日800人以上のコロナ感染による死者を出し続け、医療機関は悲鳴を上げていた。

「医療機関を救え」は一体どこへ行ったのか?
彼女の場合はスコットランド国民に謝罪して、その数日後には辞任したけれど。

今回のカミングズ氏に関しては、自分に非は無いとしている。

「他の人に我慢を強いている人が自分には都合よくアッサリ許している!」

前回のスコットランドの件といい、今回のカミングズの場合といい、国民感情としてはそれが一番大きかったと思う。

ロックダウンでは皆んなが皆んな、十分な補助が受けられるわけでは無い。
経済的にも精神的にも参っている人が沢山いる。って言うか大方がそうだ。

ビジネスを再開させたい、離れた家族や友達に会いに行きたい、普通に外を歩く自由を取り戻したい!と思っている。

オット
でもコロナは怖いからさー。
せっかくここまで我慢したんだし、今までの努力をムダにしたく無いよ!

イギリス政府は6月1日からレセプション(幼稚園の年長さん)、小1、小6年生に限って学校を再開させることを目標にしている。

「感染のリスクよりも、このまま学校へ行かないことでの子供達の機会損失やメンタルヘルスへの悪影響の方が大きい」
というのが政府の見解だ。

政府側としては、「子供がキャリアになるリスクは低い」としている。
学校を再開させて久しいデンマークなどに例を取って、安全な児童の就学は可能だと言っている。

けれど感染リスクを危ぶむ多くの教師と親が不安を訴えており、現在も協議の中心だ。
特に児童を預かる教師側が特に引き腰だ。(それはそうだろう!)

ここで大多数を説得するには何よりも政府の信頼度がものを言うだろう。

これまででも、医療従業者の保護服&備品不足や、テスト、感染者追跡アプリ、その他もろもろの確約したことで、政府はかなり滑っている。

彼らはダメならダメ、出来ませんでしたゴメンなさい、とは決して言わない。
何かとその場しのぎの言い訳をする。

「本当のことを国民に伝えているのか?」
と、その不透明さが一番問われているのだ。

決定に対しては、

「何を根拠にその結果を出したのか。その理由に信憑生はあるのか、本当に信頼できるものなのか」

そう尋ねているのだ。

そこに来て今回のこの騒ぎ。

Koppa
政府、と言うか保守党の株がますます下がっているのは確かだなあ。

「大丈夫、一緒に頑張ろう!」と言っている人が、

「あ、でもウチは別だから」では何の説得力もないよ。

それにしてもこのコロナ事態で、人が分断されたり、人を断罪したりすることがどんどん多くなっている。

人の驚くほどの強さや優しさも、悲しいほどの弱い部分や悪い面もあらわになっている。

本当はこう言う事態だからこそ、人と協力しあったり、助けあったりするのが自分をも救うことになるんじゃないか。そう思うんだけど。

悪いことばかりが強調されることが多い。
些末なものも拡大されて報道されやすい。

もっと良いニュース、聞きたいよなあ。

それにしてもジョンソン首相が週明けまでに何と声明するのだろうか。
今の政府が何を一番大事にしているのか、聞かせて欲しいわー。