2021年フットボール・ヨーロッパカップ
負けた〜。
決勝戦でイングランドがイタリアに負けた。
イングランドが世界舞台のトーナメントで決勝まで残るのは実に1966年以来、55年ぶり。
(55年前にはW杯で優勝)
それはもう、イギリス中お祭り騒ぎの連続だったと想像に難くないと思う。
当日朝のBBCニュースでは、
「他にニュース無いんかい?」
というほど、夜8時から行われる決勝への盛り上げ報道一色だった。
滑り出しは快調だったが
試合開始後5分でいきなりゴールを決めたイングランド。
が、その後勢いが振るわず、
イングランドのゴールキーパーだけがやたら忙しいという試合展開になってしまった。
そして後半戦、ついにイタリアにゴールを決められる。
結果は後半戦が終わった時点で1ー1だった。
痛恨のペナルティキック
同点で延長戦にもつれこみ、そこでも決着がつかず、これだけは嫌だと思っていたペナルティ・キックとなだれ込んだ。
イングランドはゴールキーパーが2つをセーブする好プレーを見せたが、肝心のシュートが決まらず、勝利とはならなかった。
イングランドの運命を決める最後の選手は、まだ19歳のサッカー選手。
「こんなに緊張した舞台は初めてに違いない、経験が浅い彼には責任が重すぎる」
そう思ってみんな固唾を呑んで見守っていた。
(殆ど拝んでいた、といってもいい)
そして、
彼はゴールを外してしまったのだ。
試合終了〜。
むせび泣く彼を抱えて慰める監督、よしよしと彼の頭を撫でる選手たち。
イングランドは負けたのだ。(ガックリ)
朝からニュース番組も暗いよ
負けてから一夜明けて、
BBCニュース番組ではもちろんそのニュース一色だった。
キャスターたちも「昨日眠れた人なんているのかなー」とがっかり感を隠さない。
新聞の一面はどの紙も全て監督サウスゲイト氏が最後のシュートを外したサッカー選手を抱きしめている写真が大きく載せられていた。
全体的には思い切りガッカリしつつも、うんうん準優勝まで果たしたんだもの、よくやってくれたというのが殆どの意見だと思う。
朝からニュース番組も暗いよ
しかし期待が大きかった反動もものすごく、試合後の批判も多く飛び交っている。(らしい)
イングランドの戦いぶり、
監督の人選、
レフリーのファウルに対する甘さ、
相手チームのエグいファウル、
言いたいことはいくらでもあるけどキリがない。
外野からはいくらでも言える。
外野からはなんでも言える。
だって当事者じゃないから、
当事者たちの本当の状況や調子は外からは見えないのだ。
あれだけのお祭り騒ぎを楽しんだはずなのに、
負けた途端にあれが悪かった、これがなってない、
それがエスカレートして「あいつ」と「あいつ」が悪いと個人攻撃になっていく。
そこに野卑な人種差別的もの言いが絡まってきて、
「もういい加減にしろーっ!!!」と叫びたくなるのは私だけではないはずだ。
私たちはなんでスポーツを観るのだろう
スポーツは見る側が楽しんでナンボじゃないの?
オシッコに血が混じるほど激しいトレーニングを自分がしなくても良いんだから。
テレビや観客席やパブでビール飲みながら、人が汗水流しながら、時には怪我を負いながら競技してるのを観てられるんじゃない。
私自身、フットボールは今回のようなヨーロッパ杯とかW杯ぐらいしか見ないけれど、
やはり見始めれば頑張ってるチームに応援もしたくなるし、ファインプレーを見るとどのチーム関係なくスッゴク気持ちがいい。
ガッカリも観戦のうち?
先日の「ナゼ人は芸術を必要とするのか」にも書いたように、私たちは日頃モヤモヤしたものをいつも抱えている。
私たちの潜在意識の中は過去の記憶やら深層意識、説明のつかないモヤモヤが詰まっている。
スポーツで素晴らしいプレーを見た時胸がすくような気持ちになるのは、そのモヤモヤの一部を外に吐き出させてくれるからだと思う。
彼、彼女らのファインプレーによって、自分のモヤモヤがその瞬間だけでもスッと昇華されるのだ。
期待した分ガッカリも大きい。
でもそれが勝負。
応援するのとヤジるのが同じエネルギーなら、
絶対応援した方が観ていても面白いって。
負けたら一緒に泣けばいいんだからさ〜。